神宮ツバメの観察【第2回】
ちな成鳥【生後3年〜10年】
もっとも生息数が多いのが、このフェーズだと予想されます。
生息地
前フェーズとはあまり変わりありませんが、中には生息地を「外野B」から「内野一塁側」に移す場合もあります。(地形図参照)
内野では飛来地を完全に固定し、平地の隅「ブルペン」と呼ばれる場所の隣に定住する個体も数多く報告されています。
またこの頃から、一部は東京都と埼玉県の県境付近の川辺に飛来するようになります。(亜種 戸田ツバメ)
外見
背中の番号に変化が見られます。「5」「19」「41」「42」「52」など多く見られる番号もありますが、その種類は多様で、少数ですが「0」「50」「60」などキリ番は人気者の証です。
またこの頃から、他と差別化を図るように派手な装飾を施す個体が増えます。
行動
一部オスは、「ウリコ」と呼ばれる生息地内を巡回し給餌する種類にアピールする行動をとることがあります。(ウリコは必ずしも神宮ツバメではありません。)
遠くまで見渡せる眼を有する種類が現れ、それらは同時に記憶する能力も持ちます。記憶した情景を仲間と共有します。
埼玉の川辺に飛来する戸田ツバメは、神宮外苑と頻繁に行き来するという特徴的な行動をとります。
戸田ツバメの特徴
●多くの道具を収納できるように、背中に有袋類のような袋ができる
●遠くまで見渡す能力は神宮ツバメの中でも抜群
(▼下に続く▼)
成鳥【生後10年〜】
この頃、呼称から「ちな」が取れます。「ちなみに」などという前置きは必要なくなり、正真正銘の成鳥となります。
生息地
「外野B」では年間通して占有するためのマーキングができないにもかかわらず、ほぼ飛来地が固定されます。
多くは、通路で分けられた区画の最終列近くに陣取ります。
外見
体の色が 若い神宮ツバメとは異なる場合があり、水色の個体の存在も報告されています。
背中の番号に変化が見られます。「6」「27」「46」などに加え、同じ「1」でも若い個体とは違った装飾になっています。
頭の冠が硬く変化した個体や、自らを神宮大ツバメと同じ色に化粧する個体も発見されています。
行動
集団行動の際に使用していたスティック状の道具を使わなくなります。自らの羽をあわせ音を発するか、少し大きな 拡声にも使える道具を使用します。
一部は稀に敵に対し厳しい声(通称:ヤジ)を発することもあります。
また、神宮外苑に飛来している時間の多くを「キツエンジョ」と呼ばれるエリアで過ごすという大胆な行動にでることもあります。
若いツバメから慕われ、先導者としての役割も持ち合わせる場合があります。
(▼下に続く▼)
長老【生後20年〜】
鋭い観察眼を持ち、長年の経験と豊富な知識で分析する能力を持ちます。
過去にこの地で起こった出来事を語り継ぐとともに、それに基づく現状の打開策を語り聞かせます。
重鎮として若いツバメに敬愛されている個体も多く報告されています。
生息地
前フェーズとはあまり変わりありません。
外見
前フェーズとはあまり変わりありません。外見的特徴が無くなる場合もあります。
行動
集団行動は若いツバメにまかせ、あまり鳴いたりせず、ゆったりと羽を組んで座ります。
喜び表現の際は、開閉式の道具をおもむろに取り出し、ゆっくり上下させます。
次回あらすじ
●神宮ツバメの食生活
●秋季〜冬季の生態
●主な亜種など
第3回 アップしました。
↓「共感できた」「たのしかった」方は よろしければ1日1ポチッとしていただけるとうれしいです。
コメントは、@puntaro_ys の対象ツイート または 固定ツイートの返信まで。フォローもお待ちしています。